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タイトルのお話:その1           


今日はゲーム「とらこん」の続章であり、前日譚である小説版のタイトルのお話。
もう気付いている方もいると思いますが、とらこん関連のタイトルはほぼ音楽用語で作られています。
これは根本的に音楽から物語が作られてるいるからですね。といった説明込みでいってみましょうか。
今回はあかね編『TEA FOR TWO』の解説になります。

■とらこん*Alternative

天ヶ瀬あかね編の続章のタイトルは「オルタナティブ」。
アニメや漫画なんかでもよく聞く言葉ですが、これって一体なんなの?という事なんですが音楽のジャンルの一つなんですよね。最近では知名度も上がってきたんですが、これの説明もかねてちょっとWikipediaより抜粋させてもらいます。

・オルタナティヴ・ミュージック

オルタナティヴ・ミュージック (alternative music) とは、現在の商業的な音楽や流行音楽とは一線を引き、時代の流れに捕われない普遍的なものを追い求める精神や、前衛的でアンダーグラウンドな精神を持つ音楽シーンのことである。しばしばロックの一ジャンルとして思われがちであるが、厳密にはジャンルではない。
「alternative」とは英語で、通常「代わりの」「代用の」「もう1つの選択」という意味であるが、「型にはまらない」という意味もある。本来は音楽的な特徴や性格をあらわす言葉としては使わないのが普通だが、この場合は後者の「型にはまらない」あるいは「既存のポップ・ミュージックの概念を打ち壊す」という意味で「alternative」が使われている。
オルタナティヴ・ミュージックとは、ポップ・ミュージックの対義語として使用できるが、時代の流れやある種のメディアなどによって過剰に取り沙汰され、メインストリーム、いわゆる、ポップ・ミュージックになってしまうこともある。その場合、オルタナティヴ・ミュージックではないと言える。このどちらか一方が上がっているとき、どちらかは下がっていて、それらが常に入れ替わりながら続いていく関係というのは、美術の概念でいう「現代美術」と「前衛美術」の関係に非常に類似している点がある。

とらこんにおける「オルタティブ」とは本編からの続編であるものの、既存のギャルゲーよりもキャラクター達の心情に足をつっこんだものが作りたいという意識からつけられています。勿論「もう一つの選択」という本来の言葉通りの意味も含まれてるんですが、それはまた別の機会に。そんなオルタナティブの世界は、とらこんのエピローグではなくあかね編の第二章ともなっており、2年生編がゲーム内で3年生編は小説という媒体をとっているわけなんですね。
では引き続き各タイトル名に。

■『TEA FOR TWO』

小説版とらこんのメインストリームとなる物語には楽曲目がつけられており、オルタナティブ第一章は「二人でお茶を」というタイトルになっています。そのものズバリ1950年の「二人でお茶を」という映画の挿入歌であり、劇中であかねが話していたのはブロードウェイ版のノー・ノー・ナネット(原案)が元になっていると思われます。

聞いてみると日本人でも、なんとなくわかるかも?というぐらいには広く知られている曲です。この曲をピックアップしたのは、まずは貴之とあかねの互いのことを思いやるばかりにすれ違いが起きるという恋愛によくある設定を描きたかったからです。本編では三角関係がメインになり、二人だけの問題というものがあまり前面に出ることもなかったので、もどかしい恋愛モノというものもやってみたかったんですよね。

「まぁ、恋愛モノなんだけどね。ぶっちゃけて言うなら、ノーとしか言えないヒロインが、自分の事を好きでいてくれる男の子からの告白を全部断っちゃうみたいな」
「なんだそれ?」
「まぁ、女の子はその男の子が幸せになれるようにって感じで……。そうね、お互いがお互いの為を思って上手くいかないみたいな……って、あれ……?」

『TEA FOR TWO』本編より抜粋。

貴之が優しくなればなるほど、その貴之の負担になるのがイヤだというあかね。
そんな二人の関係を「二人でお茶を」の歌詞になぞらえて描かれたものが今作です。最終的に二人で幸せにお茶を飲むことが描きたかっただけとも言いますが、最後の場面を楽曲から思い浮かべることができればしめたものなんですよね。これは僕の物語の作り方の基になっているもので、何かきっかけがないと僕は物語を作り出すことが出来ないようで。僕にとっていかに音楽が大切であるのかがよくわかります。

ちなみに何故こんな古い曲を女子高生のあかねが知っていたかというと、彼女は映画やドラマよりもミュージカルにハマっていたからです。凪が演劇を始めた時、その手のミュージカル映画などを見まくった結果なんですね。
勿論こんな偏った知識を持っているのは劇中でもあかね一人であり、こういう所がまた彼女が生み出す物語の才能の裏づけになっているんですね。
いってみれば、あかねは僕と同じく何かきかっけがないと物語が生み出せない人間なのかもしれません。改めて冷静に分析するとなんとも面白いもんですね。

では今日のところはこのへんで。
来週「タイトルのお話その2」でまたお会いいたしましょう!